脂質異常症について
健康診断でLDLコレステロール(悪玉)が140mg/dL以上だった方は、血管の健康を見直す重要なタイミングです。自覚症状がない今こそ、正しい対策を知りましょう。
1. 受診の緊急度:あなたはどの段階ですか?
最新のガイドラインでは、数値だけでなく「今の持病」を合わせてリスクを評価します。
• 【至急、医療機関を受診すべき方】
o LDL値が180mg/dL以上の方 遺伝的に数値が高くなりやすい体質の可能性があります。食事改善だけでは十分に下がらないことが多く、早期の医師による診断が必要です。
o 持病がある方(LDL 140mg/dL以上の場合) 糖尿病、慢性腎臓病、高血圧、または過去に心臓や脳の病気を経験した方は、血管へのダメージが蓄積しやすいため、早急な受診が求められます。
• 【3ヶ月間の生活改善に取り組む方】
o LDL値が140〜179mg/dLで、上記の持病がない方 まずは3ヶ月間、食事と運動を見直しましょう。その後、医療機関で再検査を行い、改善効果を確認してください。
2. なぜ放置すると「突然死」のリスクになるのか?
LDLコレステロール(悪玉)が高い状態が続くと、痛みなどのサインがないまま血管の中で「動脈硬化」が進みます。
1. 血管の内壁を傷つける: 余分なコレステロールが血管の壁に入り込みます。
2. 脂の塊(プラーク)ができる: 壁の中に脂が溜まり、血管の通り道が狭くなります。
3. 突然、血管が詰まる: 溜まった脂の塊が破れると、一瞬で「血栓(血の塊)」ができ、血管を完全に塞ぎます。これが心筋梗塞や脳梗塞の正体です。
3. 今日から実践!生活習慣改善の5つのポイント
最新の指針に基づき、効果が出やすい改善ポイントをまとめました。
① 「あぶら」の質を選び分ける
• 控える: 肉の脂身、バラ肉、鶏皮、バター、ラード、インスタント食品、スナック菓子(飽和脂肪酸)。
• 摂る: 青魚(サバ・イワシなど)、大豆製品、植物油(菜種油、オリーブ油など)。これらは血管を保護する働きがあります。
② 食物繊維を「プラス一皿」増やす
• 海藻、きのこ、野菜、納豆、玄米などは、余分なコレステロールを吸着して体外へ排出するのを助けます。毎食「野菜を一皿増やす」イメージで摂りましょう。
③ コレステロールの多い食品を控える
• LDL値が高い方は、鶏卵の黄身、レバー、魚卵(たらこ・いくら等)の摂取を控えめにしましょう(週に数回程度に抑えるのが目安です)。
④ アルコールと甘いものを適量にする
• お酒の飲みすぎや、甘いお菓子・清涼飲料水の摂りすぎは、中性脂肪を増やし、結果として脂質異常症を悪化させます。
⑤ 血管を直接守る「禁煙と運動」
• 禁煙: タバコに含まれる有害物質は血管の壁を直接傷つけ、動脈硬化を加速させます。禁煙は最高の血管保護です。
• 運動: 1日30分程度の速歩(少し息が弾む程度)を習慣にしましょう。善玉(HDL)を増やし、血管をしなやかに保ちます。
4. 参考資料
• 日本動脈硬化学会「これりすくん」(10年後の発症予測ツール)
https://www.j-athero.org/jp/general/ge_tool/
• 国立循環器病研究センター「循環器病情報サービス」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/dyslipidemia/
• 厚生労働省「e-ヘルスネット」脂質異常症
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-004