アルコールについて
健康的なお酒との付き合い方
お酒は、仕事終わりのリラックスや仲間とのコミュニケーションの場で欠かせない存在です。しかし、飲み方や量を誤ると、健康や生活に大きな影響を及ぼすことがあります。ここでは、健康的なお酒との付き合い方について、最新の知見をもとにご紹介します。
適量飲酒の目安とリスク
厚生労働省によると、男性の場合、1日あたりの平均純アルコール摂取量が40g(日本酒2合、ビール中びん2本程度)を超えると、がんや高血圧、脳卒中、脂質異常症など生活習慣病のリスクが高まるとされています。飲酒量が多いほどリスクは上昇し、少ないほど健康への悪影響は抑えられます。特に、飲酒量が44g/日を超えると、死亡リスクや脳卒中、心疾患のリスクが明確に高まることが分かっています。
また、アルコールの分解能力には個人差があり、日本人の約半数はお酒に弱い、または全く飲めない体質です。年齢や体質、性別によっても適量は異なりますので、自分の体調や体質をよく理解し、無理のない範囲で楽しむことが大切です。
飲み過ぎがもたらす健康被害
過度な飲酒は、肝臓障害(脂肪肝、肝炎、肝硬変、肝がん)、膵炎、糖尿病、心筋症、脳卒中、認知症、うつ病など、さまざまな病気のリスクを高めます。さらに、飲酒は肥満や高血圧、脂質異常症とも深く関係しており、健康診断でこれらを指摘された方は特に注意が必要です。飲酒量を減らすことで、血圧の低下や肥満予防、生活習慣病のリスク低減が期待できます。
また、アルコールは脳の快楽物質であるドーパミンの分泌を促し、飲酒行動が強化されやすいという脳の仕組みもあります。最初はコントロールできていても、次第に難しくなり、依存症に陥る危険もあります。
健康的な飲み方のポイント
1. 自分の適量を知る
一般的な適量は、ビール中びん1本(500ml)、日本酒1合(180ml)、ワイン2杯(約240ml)などで純アルコール約20gです。これを目安に、1日40g(2合)を超えないようにしましょう。
2. 休肝日を設ける
週に1~2日はお酒を飲まない日をつくり、肝臓を休ませましょう。
3. 食事と一緒にゆっくり飲む
空腹での飲酒はアルコールの吸収が早まり、酔いが回りやすくなります。バランスの良い食事と一緒に、ゆっくりと楽しみましょう。
4. 水やノンアルコール飲料と交互に飲む
アルコールの摂取量を抑え、脱水を防ぐためにも、水分補給を心がけましょう。
5. 飲み会やストレス時の飲酒に注意
飲み会やストレス解消のための飲酒は、つい量が増えがちです。事前に飲む量を決めたり、ノンアルコール飲料に切り替えるなど工夫しましょう。
6. 薬との併用や寝酒は避ける
アルコールは薬の効果に影響を与えたり、不眠や体調不良を招くことがあります。寝酒も睡眠の質を下げるため、他のリラックス法を探しましょう。
まとめ
お酒は適量を守れば、生活に潤いを与えてくれる存在です。しかし、健康を損なうリスクもあるため、自分の体質や健康状態を理解し、無理のない範囲で楽しむことが大切です。飲み過ぎに注意し、健康的なお酒との付き合い方を心がけましょう。もし、飲酒に関して不安や悩みがある場合は、医療機関や相談窓口に早めに相談することも大切です。
参考資料
ビール酒造組合 適正飲酒のススメ
https://www.brewers.or.jp/contents/pdf/susume.pdf
厚生労働省 アルコール健康障害対策
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000176279.html