産業医のコラム

2022年05月12日
熱中症について
2022年03月01日
花粉症について
2021年12月01日
受動喫煙について
2021年09月01日
結核について
2021年05月21日
夏場の食中毒について
2021年05月20日
紫外線について
2020年11月01日
感染性胃腸炎について

産業医のコラム

熱中症について

 今年も新型コロナウイルスの対策が続く中で迎える熱中症シーズンとなりました。マスクの着用や運動不足で熱中症のリスクが例年以上に高まっています。
 気温が28度を超える時には、熱中症に注意し、特に気温が35度を超えるときには屋外での活動を控えるなどの対策を取って下さい。熱中症では、体温の上昇と脱水症状がみられます。スポーツドリンクを飲用して脱水症状を防ぎ、直射日光を避ける、濡れタオルを首にかけるなどの対策で体温の上昇を防いで下さい。
 軽度のめまい、立ちくらみ、汗が止まらなくなる、頭痛、吐気などの熱中症の症状がみられた場合には、足を高くして横になり、経口補水液、スポーツドリンクで水分塩分を補給し、太い血管のある首、脇の下、太腿の付根を冷たいタオルなどで体を冷やす必要があります。
 意識がない、もうろうとしている場合は重症の可能性がありますので、上記処置を取りながら、直ちに救急隊を要請して下さい。体温の上昇、脱水等で脳を始めとする重要な臓器に血液が供給できなくなり、命の危険のある病気ですので、今夏も十分に注意して下さい。

 予防のための7つのポイントを紹介しています。
(1)3食をきちんと食べる
(2)のどが渇いたなと感じ始めたら水分摂取(多量のカフェイン摂取を控える)
(3)経口補水液を家族1人2本×3日分常備
(4)クーラーをすぐつけられるよう調整し、暑いと感じる場所にいない
(5)換気をこまめにし、湿度も高くならないよう注意(環境省ウェブサイトで毎日発表される「暑さ指数」もチェック)
(6)快適な環境でよく睡眠をとる(疲労も熱中症リスク)
(7)人混みを避けた散歩や室内での軽い運動を行う

※食欲がなく3食きちんと食べられないという状況でも、1日500ミリリットルの経口補水液を1時間くらいかけてゆっくり1本飲むことなどで、水分と塩分を補うことができるといいます。

参考資料
「熱中症からカラダを守ろう」大塚製薬
http://www.otsuka.co.jp/health_illness/heatdisorder/

「熱中症関連情報」厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/

「教えて!『かくれ脱水』委員会」
https://www.kakuredassui.jp/stop/knowledge/care/care06

2022年05月12日

花粉症について

 2022年春のシーズンも、スギ花粉の飛散が関東地方で例年並みの2月上旬に始まりました。2022年春の関東甲信地方のスギやヒノキの花粉量は、例年比90%と例年並となるものの、2021年の前年比110%とやや多くなると見込まれており、注意が必要です。
 花粉症は、鼻や目などの粘膜に花粉が接触することによって引き起こされるアレルギー反応で、くしゃみ、鼻汁、鼻づまり、目のかゆみなどの症状がみられます。
 対策は花粉の接触を防ぐことが基本になります。花粉情報に注意して飛散の多い時は、外出を控える、外出時にマスク、メガネを使う、花粉が付着しやすい衣服を避けて、帰宅時、衣服や髪をよく払ってから入室する、洗顔、うがいをするなどの対策を取りましょう。
 天候、気温、風向きによって、花粉の飛散量は多く変わりますので、花粉情報サイトを確認しながら、花粉の飛散量が多い日には十分に注意してください。

環境省花粉情報サイト
http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/

2022年03月01日

受動喫煙について

 受動喫煙とは、室内などで他人のたばこの煙を吸わされることをいいます。タバコの先から出る煙(副流煙)は、喫煙者が吸い込む煙(主流煙)よりも、ニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素が4.7倍、さらに発がん性のある化学物質も多く含まれています。
 受動喫煙によって引き起こされる体の害として、肺がん、急性心筋梗塞などの虚血性心疾患、乳幼児突然死症候群、子供の呼吸器感染症、喘息発作の誘発があげられ、子供への影響が大きいといわれています。また、厚生労働省の研究班「今後のタバコ対策の推進に関する研究」では、年間約6,800人が受動喫煙により、肺がんと虚血性心疾患で死亡していると推計しています。
 新型タバコは、従来の燃焼式タバコに比べてタール(タバコ煙中の有害物質のうちの粒子成分)が削減されていますが、依存性物質であるニコチンやその他の有害物質を吸引する製品です。従って、使用者にとっても、受動喫煙させられる人にとっても、非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は推奨できません。
 健康増進法が改正されて、一般のオフィス・事業所では原則屋内禁煙(基準を満たした喫煙専用室のみ喫煙可)となります。喫煙者の方は、今後も受動喫煙防止に十分な配慮をするようにお願いいたします。

参考資料「厚生労働省 なくそう受動喫煙」
https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/

2021年12月01日

結核について

 厚生労働省では、毎年9月24日~30日を「結核予防週間」と定め、結核に関する正しい知識の普及啓発を図ることとしています。現在、新型コロナウイルスの対策が続いていますが、日本の結核の罹患状況は先進国で最も罹患率が高く、世界では中程度の流行国になります。職場、学校、医療機関、高齢者施設などでの集団感染が続いており、結核は年間約15,000人が新たに発病し、年間約2000人が死亡する重大な感染症の一つです。
 結核に特徴的な症状はありませんが、全身症状としては、咳、痰、全身倦怠感、発熱、体重減少などがあります。初期には咳や痰もなく、周りにうつすことはありません。感染してから6ヶ月~2年くらい経過して、咳が出始めると周りに感染しつづけるようになります。
 結核の早期発見のために、年1回の定期健康診断(胸部レントゲン検査)を受けてください。異常があった場合は必ず呼吸器内科で再検査を受けてください。また、咳、微熱などの症状が2週間以上続く場合には、必ず呼吸器内科を受診することを心がけて下さい。

参考資料
「結核について」公益財団法人結核予防会
https://www.jatahq.org/about_tb/

2021年09月01日

夏場の食中毒について

 暑い時期は、黄色ブドウ球菌による食中毒に特に注意が必要です。黄色ブドウ球菌は、人の皮膚や傷口に常に存在している細菌です。感染することは、通常、問題になりませんが、暑い日の室温下で菌の増殖と同時に毒素(エンテロトキシン)を出し、この毒素が食中毒の原因になります。毒素を含んだ食品を摂取後、約1~3時間程度で、吐き気、激しい嘔吐、下痢などの症状がみられます。
 この毒素は100度で30分加熱しても無毒化されませんので、細菌を付着させない、増殖させない(冷蔵庫を利用して10度以下に保つ。)ことが重要です。(腸管出血性大腸菌やノロウイルスは、十分に加熱することで防げます。)
 「食品は、なるべく素手で触らないようにする。(おにぎりは要注意です。ラップ、ビニール手袋を使用してください。)暑い日の室温は、細菌の増殖しやすい環境ですので、食品はすぐに冷蔵庫にしまうようにする。」などの細菌を付着させない、増殖させない対策をとってください。

参考資料
「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/micro/oushoku.html

「食中毒」厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/

2021年05月21日

紫外線について

 紫外線に対する関心は日本でも少しずつ高まってきています。オゾン層破壊による紫外線増加といった環境問題としての関心だけでなく、紫外線の浴びすぎによる健康への影響についても同様です。
 紫外線の浴びすぎは、日焼け、しわ、シミ等の原因となるだけでなく、長年紫外線を浴び続けていると、時には良性、悪性の腫瘍や白内障等を引き起こすことがあります。しかし、紫外線は悪い影響ばかりではなく、カルシウム代謝に重要な役割を果たすビタミンDを皮膚で合成する手助けもします。
 紫外線の影響は、地域や個人によって異なりますが、紫外線の影響が強いと考えられる場合には、状況に応じて、次のような対策を行うことが効果的です。

<対策>
①紫外線の強い時間帯を避ける。
②日陰を利用する。
③日傘を使う、帽子をかぶる。
④衣服で覆う。
⑤サングラスをかける。
⑥日焼け止めを上手に使う。

最適な紫外線量には個人差がありますが、正しい知識を持ち、紫外線の浴びすぎに注意しながら上手に紫外線とつきあっていくことが大切です。

参考文献
「紫外線環境保健マニュアル2015」環境省
http://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2015/full/matsigaisen2015_full.pdf

2021年05月20日

感染性胃腸炎について

 新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、冬場(11月から3月)は、ノロウイルスによる感染性胃腸炎も流行しやすい時期です。ノロウイルスは、形状が非常に小さいにもかかわらず、感染力は非常に高く、少ないウイルスの摂取でも感染し発症します。
 感染経路は、ウイルスを蓄積する牡蠣を代表とする二枚貝を生で食べることにより感染することが多くいです。他に、感染した人が調理した食品、患者の便、嘔吐物からも感染します。致死率は低く、数日で回復する病気ですが、稀に抵抗力の弱い小児、高齢者は、脱水症、嘔吐による窒息、肺炎等で死亡することもあるので、十分な注意が必要です。
 感染防止対策は、ノロウイルスの感染源となる二枚貝をしっかりと加熱すること(90℃1分)、消毒(次亜塩素酸ナトリウム)、手洗いなどを徹底して行うことが効果的です。
 ノロウイルスについて、厚生労働省、東京都のホームページ(下記のリンク)で詳しく説明していますので、こちらを参考にしてください。

参考資料
「厚生労働省・食中毒の原因(細菌以外)」
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/03.html

「東京都感染症情報センター・感染性胃腸炎」
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/gastro/

2020年11月01日